無線LANルーターの選び方を考える
新しいWi-Fiルーターが欲しくなってきたので何が必要なのかと検討を始めました。どの機種を選ぶのが良いかを考えるために自分の使用機器と利用状況を合わせて考えていきます。
検討中という事で色々なポイントを書き足していく形になっています。考えがまとまって買う機種が決まったら、たぶん新機種を買った後にその選択が良かったかも含めて書くことにします。
インターネットの利用方法の変化
以前にWiFi5(IEEE802.11ac)対応ルーターを買ったときからの変化。Amazonプライムビデオを見るようになって動画を見る時間が増えたことと、ゲーミングPCを購入しパソコンでゲームをする時間が加わりました。
メインで使用しているパソコンのアプリ単位でのデータ通信の総使用量で言えば、私の場合YouTubeを見ているGoogle Chromeによるものが圧倒的でゲーム(原神、ウマ娘)の10倍以上あるので、パソコンゲームによる通信量の影響は小さく、これまでとあまり大きな変化はない状況です。
iPadのほうも動画系のアプリがデータ通信量のほとんどを占めています。
もうすぐWi-Fi6Eが出るらしい
新しいルーターを購入する時期として今は良い時期だろうか、もうすぐ新製品がでる?という事はもちろん考える。
総務省の情報通信審議会が公開している資料を見るとWiFi6の拡張版であるWiFi6Eを搭載した製品が2023年までには出てきそう。
WiFi6Eで追加された新バンドを使うためにはパソコンやスマホ側も対応している必要がある。手持ちのコンピュータのなかにはWiFi6Eの新バンドに対応しているものがないので6Eを待たずに今買い替えても特に問題ない。(私が一番新しく買ったWi-Fi対応機器はiPad Pro 2021ですが対応していない)
WiFi6Eとは何かというと現在使われている2.4GHz帯、5Ghz帯のほかに新バンドとして6GHz帯を使えるようにするといったもの。WiFi6はIEEE802.11axという規格名。WiFi6Eも同じく802.11axのままでメジャーバージョンアップというものではない。
*規格の詳細は公式情報Wi-Fi Allianceを見ればいい
WiFi7というIEEE802.11beが開発中
WiFi6より高速化した新規格WiFi7も開発中なので新規格を待っていると、きっといつまでも新規格待ちをできる。
機種選定は通信性能を優先 – 付加機能は欲しくない
すでにWiFi5のルーターながらIPoEに対応している機種を使っているのでIPv6への対応は必須だけれど、現在の売れ筋機種は国内メーカーの場合は低価格なエントリーモデルもほぼ対応しているよう。(光ファイバーのインターネット、NTTのフレッツ系プロバイダーの場合はv6プラスやtransixが多い IPv4 over IPv6)
純粋に体感速度アップが欲しいので高性能なハードウェアを搭載した機種を選ぶことになる。ミドルレンジからハイエンドクラスで、お値段は1万5千円から4万円くらいの機種から選ぶことになる。ミドルレンジクラスから見ていくと
メーカーはNEC、バッファローが売れているっぽいけれど高性能なCPUを搭載しているのは最上位機種のみの様。ASUSのルーターってどうなのか。
IPv6ルーターではND Proxyモード
全端末がグローバルIPを持つことになるので直だとセキュリティ的にも管理が大変。ということで最新のルーターでもND Proxyを使うのは以前からのルーターと変わりなし。使わないとファイヤーウォールもパケットフィルタリングも出来ない。LAN側のIPアドレスの管理はSLAACとDHCPv6があるけれど、基本SLAACでいい。
macアドレスの識別などによるローカルでの固定アドレス配布はIPv4でしか使う予定が無さそうだけれど、IPv6でもDHCPv6を使えばルーター側で管理できる。
IPv6 RA RDNSSオプション通知
Android端末の場合はDHCPv6に対応していないのでSLAACを使うことになるわけですが、RA通知は行われるからRADVDが動いている状態。ということなら特にRDNSSという機能の表記が無くてもIPv6に対応しているルーターにはあって当然のはずと思って現在使っているTP-Linkの普及機種のIPv6設定部分を見たらRDNSSの設定項目があったので何年も前の機種でも搭載されているので現行機種なら書いてなくても当然のようにDNSサーバーのIPv6アドレスの通知は行われているでしょ?
AndroidとChromeOSに関連していることでWindowsやMac、iPhone、iPadはSLAACとDHCPv6の両対応。非対応のルーターでもAndroidでは名前の解決にIPv4を使うことになる程度なので無視してもそれほど問題ないと考えている。覚えていたら調べよ~
ルーターとパソコン、スマホのIPアドレス
IPv4と同様にIPv6にもDHCPv6があり、ルーターがパソコンやスマホのIPアドレスを決める。SLAACはパソコンやスマホ側とルーターでメッセージのやり取りした後、パソコン、スマホ側で決める。DNSサーバーのアドレスについてSLAACの場合はRDNSSで通知される。(SLAACでクライアントIPを決めてDNSアドレスの通知はDHCPv6を使うというパターンもある)
CPUのコアは基本的に同世代
性能を重視するならCPUのコアの種類、数が気になるところ。独立したCPUではなく混載されたチップになっていることを考えるとWiFi6用のチップを設計していた時期の世代。どれもArmで省電力コアとみてもいいはず。メーカーの仕様表には乗っていない。コア数は乗っているものもある、単純にコア数の差が性能の差とみてもいいものかどうか。
最新のものは3コア、4コアがメイン。BroadcomやQualcommのチップじゃないのか安いAtermは・・・。無線部分がBroadcomかQualcommならまあ別にいいけど。CPUのコアはどこもArmだし。
どうしてCPUの性能にこだわるのかというと、すべての機能を各メーカーがソフトウェアを独自に作っているわけではなくオープンソースのものを組み合わせてルーターを作っているはずだから。独自の最適化など魔改造をたくさん行って足りないCPUの性能を補っているというメーカーはたぶん最新技術についていけない。家庭用のルーターにたくさんのエンジニアを配置して独自のソフトウェアばかりでルーターを作ってる会社ってある?のだろうか・・・世の中は広いけど・・・
アンテナの数 4×4か8×8か
基本的にノートパソコンもiPadもクライアント側は2×2。速度は2×2の160Mhz幅を使って2402Mb/sが理論最大値。インターネット回線の上限で普通は1000Mbpsも出ないので、8×8の4804mbsなどパッケージ表記の最大値は考えなくてもいい。
2×2接続で使う端末を何台同時に使うかということになると、同時に複数端末が高速な通信をすることがないので2×2接続が2台同時にできる4×4アンテナで困ることはない。
MU-MIMOで複数の端末が並列して通信できるのでCPUのコア数が4コアあっても多すぎて無駄という事はないはず。でも例えば8コア、12コアくらいになるとコア数より1コアあたりの性能、シングルスレッド性能が大事だと言われることになりそうな未来?
ゲーミングルーターって何でしょう
世の中のゲーミング〇〇というものは、ゲーミング独自の何かがあるわけではないものが多い。例えばゲーミングPCはゲームすることができるくらいに高性能な半導体を搭載しているWindowsパソコンと見てよく普通に仕事用のパソコンとしても使うことができます。
ゲーミングルーターって何なのか調べているとどうやら通信制御でゲーム関連の通信を優先させると謳っているよう。膨大な通信セッション数に対応できるハードウェアを搭載しているという意味ではなさそうなのでゲーム目的でもゲーミングルーターから選ばずにハイエンドなCPUを搭載している機種を選んだほうが良さそうかな。
ゲームしているときもブラウザで情報を検索したり、Discordで通話していることもあるわけだからゲームのデータ通信を優先していてもダメで結局、高性能な半導体ですべての通信を爆速で処理してくれるものじゃないと困ることになる。
逆に邪魔になりそうな機能も無さそうなので、ゲーミングルーターの中に高性能なCPUを搭載しているものがあれば避ける必要もない。ゲーミングという名前がついていてもそんなに変なものにあたることは無さそう。
そういうわけでゲーミングルーターをチェックしていると良さそうなCPUを搭載しているものがいくつかある。
CPUにBroadcomのBCM4908という4コア 1.8GHzのものを搭載しているRT-AX86U。
RT-AX89XはQualcommの4コア2.2Ghzのものを採用している。見た目がモノモノしい・・・けど絶対早いルーターだわ。
セキュリティ機能?トレンドマイクロ、カスペルスキー
ルーターにセキュリティ機能が組み込まれるようになっている。けれどどれも使わなさそう。Windowsのウイルス対策は標準搭載されているマイクロソフトのものが優秀。フィッシング対策だけれど標準ブラウザのEdgeを使っていてもhttpsでの通信をされるとルーターで何をチェックできるのだろう。DNSでブロックか。サイト単位でフィルタリング?誤爆があったら悩みそう・・・
とくに魅力は感じないので、むしろ独自のセキュリティ機能をオフにできるかチェックするのは大事。フィルタリングで通信速度が低下するのを防ぐために無効にできることを確認する。どれも有料契約が必須でサブスクリプションが切れたら無効になるっぽい。
WAN側の10GbE
インターネット側のLAN端子が10Gbに対応しているものもある。プロバイダーの都合で最速で1Gbも出ないのでリンク速度だけ上がってもしょうがない。
ここまで ハイエンドモデルが安く見える謎
海外メーカーのゲーミングルーターなども含めて、家庭用ルーターの上位機種になるとNECとバッファローのコストパフォーマンスが良さそうになる。
なぜ?どちらも4コアで3万円前後。NECのAterm WX6000HPとバッファローのWXR-6000AX12S
NECの場合は見れば見るほど最上位機種がお買い得モデルだと思う。
どちらも5Ghz帯の8×8対応。CPUが2.2GHzも同じ。結局、国内2強であるNECとバッファローの上位機種という選択になりそうか。もうちょっと探してみよう。
ミドルレンジのCPUが1Ghz~1.5Ghzで2コア、3コア、ハイエンドのCPUが2.2GHzの4コアとなっている。クロック数が大きく違うし、ある程度まではコア数が多いほうが並列処理に有利。
2コア1Ghzと4コア2.2GHzのCPUの比較となると軽く数倍の演算性能に差はあるはずなのでここまで来ると体感速度というか応答速度に差が出るんじゃないだろうか。高価格帯のスマホと、低価格帯のスマホを比較するようなものだから全然違う性能。
CPUが1Ghz(1.5Ghz?)のデュアルコアというNEC Aterm WX5400HPが2万円弱だとすると上位機種の割安感がすごく強い。NECのAtermが欲しいならWX6000HP一択と言えるくらいにコストパフォーマンスに差がある・・・
外部アンテナ
これはパソコンやスマホを使う場所がほぼ固定で決まっているのなら、アンテナの向きを調整したほうが速度が上がるのは間違いないので可動式の外部アンテナが有利。
だけど上位機種だと5Ghz用のアンテナ数が8本あるので、Wi-Fiの距離だとアンテナの数が増えるほど可動式アンテナの優位性は減ると思うのであまり差がない可能性もある。実際に試してみないとわからない。NECとバッファローならどちらでも良さそうか。
ミドルレンジの価格帯の新製品 RT-AX3000 V2
新しく見つけたもの。ハードウェアの性能ではASUSが新発売したRT-AX3000 V2がミドルレンジの価格でBroadcom BCM6756(クワッドコア1.7GHz)を搭載しているので良い。
同価格帯のNEC Aterm WX5400HPよりCPUの性能はかなり上のはずなので、ファームウェアがどのくらいのものなのか気になる。これまでASUSは使ったことがないから知らないというところが選びづらい。
お財布事情で考える価格帯別の候補
価格で見て3万円、4万円といった家庭用ルーターの上位機種はどれを選んでも高い性能を持っているスペックなので、例えば
NEC Aterm WX6000HP
人気のNECのAtermシリーズの上位機種WX6000HP。このあたりは選んで損したという性能では無さそう。高価格帯のルーターですがスペック的にはNECで一番コストパフォーマンスが良いと思う。
バッファローのWXR-6000AX12S
バッファローのWXR-6000AX12Sも高性能なCPUを搭載しているので速いルーターじゃないとおかしい。
NECとバッファローの最上位機種はどちらもハイスペックなので、外部アンテナをどう評価するかがポイントになりそう。私は外部アンテナがついている機種が好きなのでバッファローのほうを選ぶかな~と思いますが、どちらかがセールをしていて安くなっていたら安いほうを選ぶ気がします。
中価格帯の機種はどれだろう
お財布事情の余裕があるなら上位機種のほうが性能が高いのはスペック通りなのですが、1万円台に収めたいと考えた場合、
バッファローのWSR-5400AX6S
1万円台でルーターを買うならWSR-5400AX6Sにするかなと考えています。3コア1.5GHzのCPUを搭載していてライバルであろうNECのWX5400HPよりスペックが上。
もう1機種、価格帯で気になるのは上のほうで書いたASUSのRT-AX3000 V2です。コンピュータの類は演算能力が高ければ早いというのは当たり前のことなのでBroadcomの4コアCPUを搭載しているのでやっぱり気になる。
NECのWX5400HPは付加的な機能(トレンドマイクロホームネットワークセキュリティ)に魅力を感じる人向けの機種なのかなと思います。NECだしルーターの設定に不安がある人とか手軽に使いたい人には良い選択肢だから人気ランキングの上位にいるのだと思います。
低価格品のルーター WSR-1166DHPL2
ある程度以上の性能がありそうだとわからないものにお金を出す気がないので、ミドルレンジ機種よりも下から選ぶならもう定番の低価格機種のWSR-1166DHPL2にします。WiFi6ですらないですがIPv6、ビームフォーミング、MU-MIMOに対応しているので、使っているルーターが故障したときに繋ぎの代替機として利用する候補にしている人も多い機種でしょう。
結局、どれを買うの?
一番欲しいのは性能、機能、外部アンテナのすべてがあるバッファローのWXR-6000AX12S、第二候補として価格の割にCPUが良いASUS RT-AX3000 V2、第三候補として求める性能がありそうなので買い替え対象になるNEC Aterm WX6000HPにしています。最上位機種はハード的に良い仕上がりなので間違いのない選択になりそうです。第3候補だけどAtermがセールで安いタイミングが来たらWX6000HPにするかも。
炊飯器が故障してそちらを買うことになってしまったので、ルーターは来月以降に購入してレビューします。
NECのAterm WX5400HPとバッファローのWSR-5400AX6 どっち?
NECのAterm WX5400HPとバッファローのWSR-5400AX6の2択ということなら私はバッファローのほうが欲しいです。
新s