可動式外部アンテナでWIFIの通信速度を改善する
バッファローの無線LAN中継器 WEX-1166DHP2には可動式の外部アンテナが付いているので最も速度が出る向き、角度を探してみようということで実験してみました。
どの方向を向いている状態の受信感度が良いのか。
わかったことはアンテナの角度によって、親機(ルーター)からの電波の受信感度(dBm)やWIFIのリンク速度(Mbps)に大きな差が出るということです。
おすすめの設定方法は中継器設定ガイドの利用
可動式アンテナという利点を生かして通信速度を改善するために、アンテナの向き、角度を変えるのが良い!
といってもどのような向きに傾ければいいのか、斜めになってたらなんでもいいのか?よくわからなかったので具体的に検証実験してみました。
バッファローのWEX-1166DHP2には、「中継器設置ガイド」という親機とのリンク速度や受信感度を計測する機能が付いていますので中継機WEX-1166DHP2の設定画面にログインして使ってみました。
他のメーカーでも似たような機能を持っている機種があるかもしれないので、受信感度を確認しながら角度を調節してみましょう。
中継機の設置場所 – 親機と中継機の位置関係
大変雑なイメージ図ですが場所はだいたいこんな感じ。ビルの横にビルやなんらかの建物があるという特に珍しくもない環境だと思います。
今回実験した設置場所は
ビルの3階に親機(WIFIルーター) – 階の中央付近
ビルの1階にWIFI中継器(WEX-1166DHP2) – 階の窓際
という環境です。
ビル周辺には建物があるので、電波が壁に反射してきていると思います。
無線LANのアンテナの向き、角度を変えて通信速度を改善する
通信状態を判断する材料として親機と中継器のリンク速度、受信感度を計測します。
まずテストしてみたアンテナ角度は4種類。
パターン1. 垂直
パターン2. 斜めver1 (アンテナの先端が外側-窓側)
パターン3. 斜めver2 (アンテナの先端が内側)
パターン4. 水平
で調べてみました。
受信感度の数字は中継器が表示しているデータです。
実測値のほうは実利用に多い環境ということでスマートフォンで計測しています。(*確実に中継器を経由するように中継器専用のSSIDを設定してWIFI接続しています。)
パターン1.垂直 – アンテナの向き
中継器本体に対してアンテナを真っすぐ立てたままの状態です。
一番スタンダードな姿ですが測定値は良好でした。
親機と中継器のリンク速度 67Mbpsと受信感度 -45dBm
これがこの環境での基準となる数字。
実測値は24.8Mbpsなのでアンテナの設置調節をしなければこのぐらいの速さです。
何度か計測したうちの中間のグラフです。
パターン2. 斜めver1 – アンテナを斜めに向ける
アンテナの先端が窓のほうに向いています。
これはあまり良くない結果となりました。
リンク速度 47Mbps 受信感度 -49dBm
大きくリンク速度が低下しました。
実測値でも10Mbpsほどに大きく速度が低下してしまいました。
アンテナの角度を斜めにすれば、何でもよいわけではないことが良く分かりました。悪くなることがあるのは難しいです。
パターン3. 斜めver2 – アンテナの角度を斜めにする
アンテナの先端は窓と逆のほうに向いています。
アンテナの角度を適切な方向で斜めにすることには大きな意味があるという結果でした。
-46dBmの数値は垂直にした場合と同じようなものでしたが、リンク速度86Mbpsとなりました。長時間にわたってずっと80Mbpsを超えており、中継器にとっては安定して電波を受信しやすい角度だったのだと思います。
期待の実測値も38.3Mb/sと大きく向上しました。
これがこの環境においてアンテナが広く電波を受信できる角度のようです。
斜めver1と斜めver2の比較から見ると電波はアンテナの軸に対して垂直に輪切りしたような形で受信しているんだと思います。どういう角度で中継器に電波が届いているのか傾向をイメージできればアンテナの角度は決めやすいと思います。
パターン4. 水平 – アンテナを倒してみる
中継器本体に対して直角になる水平まで倒したパターンです。
上階との接続に特化した角度なんじゃないかと期待していました。
しかし、このパターンは正直期待外れでした。受信感度も実測値もいまひとつ伸びず。事前の予想では同じ階での通信は多少弱くなっても、上下階との通信には強いだろうと考えていたので驚きでした。実験時の中継器の設置環境では隣の建物から反射されたマルチパスの反射電波も多く利用していたということなのでしょうか。
別パターン – なぜか今ひとつで予想外
パターン3の斜めver2の測定結果がよかったことからアンテナ数は2本あるので
1本を垂直に、1本を斜めver2の角度にしてみたところ、数値はパターン1の2本とも垂直の場合とほぼ同じようなものでした。両方の中間くらいの数値になるのかと予想していたのですがそう単純ではないようです。
アンテナの向きについて
成績の良かったパターン3で、今度は可動式アンテナの向きを動かしつつテストしてみたところ、あまり数値に変化はありませんでした。ハの字型、逆ハの字型にしてみても変わらないのはちょっと原因がわかりません。窓が大きく広ければ変化があるのかもしれませんが、アンテナの角度のほうが結果への影響は大きかったです。設置環境によって変わるものだと思うのですが、今回の実験では特に変わらなかったということです。
まとめ – よく考えてみる親機のWIFIルーターでも同じですね
今回の設置場所でのベストなアンテナの向き、角度はパターン3でした。
壁などで反射された電波を有効利用するというMIMOのマルチパスという技術が大きく影響する環境なのかなと思いました。
3階に親機(WIFIルーター)、1階に中継器(WEX-1166DHP2)という位置関係でしたが、
逆の場合、設置環境が1階に親機の無線ルーターが設置されていて、2階や3階に中継器というときはパターン2が良い結果の出る角度になる可能性が高いと思います。
こんな感じで電波がアンテナに対して垂直に入ってくるような角度がいいんじゃないかと思います。
同じ階同士の通信なら、アンテナは立てておくのがベターでしょう。
ベストを狙うならしっかりと角度を調節したほうがいいですが、運が悪いと受信感度や通信速度が落ちてしまうので、どこから中継器に電波が届いているのかよくわからないという場合は角度を変えずに垂直にしておくのが安全なのかもしれません。
しかし、せっかく多機能な中継器 WEX-1166DHP2を使っているなら、通信速度を早くする一番確かな方法は、WEX-1166DHP2にログインして設定画面から、「中継器設置ガイド」を見ながらアンテナの角度を変えつつ感度が良くなるところを確かめていくのがおすすめです。ほかのメーカーにも似たような機能が用意されている機種もあるんじゃないかと思うので積極的に使ってみるのがいいでしょう。
今回はWIFI中継器でアンテナの向き、角度をテストしてみましたが、親機のWIFIルーターでもアンテナの向きを決めるときに役立てることができると思います。アンテナの本数が3本、4本あるような機種もありますが、なるべくアンテナのポールに垂直に電波が入ってくるようにできればいいというのがポイントでしょう。
今回検証に利用した機種 バッファロー WEX-1166DHP2 – WIFI中継器
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