この度、故障したベンキューの液晶ディスプレイの代わりに購入したフィリップスの24E1N5500E/11。
前回、いくつかの競合となりそうな液晶モニターのスペックを比較して、具体的な比較対象はスペックの似ている24QP500ですが、必要な機能があるモニターとして注文していたものです。
実際に使用してみて買う前に想像していたより発色が良く、ゲームでは残像感もなく、かなり良い評価だったので気づいたことについて書いておきます。総合評価はかなりの高評価でおすすめのディスプレイです。
液晶パネルの応答速度が速い – IPSパネル
まず古い液晶モニターから買い替えを考えている人が、良いと体感できるポイントとして応答速度の速さがあります。
このモニターのスペックとしては
GtG 4ms
MPRT 1ms
というスペックがあります。
*このスペックはオーバードライブ駆動しているときの数値だと思います。後述
この数字をどう見ればいいのかということですが、GtGが4msのほうの数字を見ていればいいと思います。GtGは中間色から中間色という液晶モニターが色の変更を行うのに一番時間がかかるところで4msという数字ということです。
60Hz駆動の場合は応答速度はGtGで15ms程度であればスペック上は問題ないですが、実際には早ければ早いほど残像感が少なくクッキリと見えます。応答速度は実際の使用時にモニターの見えやすさ、作業のしやすさに関わるところなので、応答速度が速いのは評価を高くできるポイントです。
コストパフォーマンスを重視した液晶モニターだと思いますが、最近のIPSパネルは応答速度が速くなっているのでゲーム用途でも原神や崩壊スターレイルなど60FPSのものなら十分にやれます。
5,6年前のIPSパネルは応答速度が8msくらいのものが多いはずなので、用途によっては大きなメリットを感じられると思います。低価格でも発売時期が新しい製品を選ぶのは応答速度への期待があります。
SmartResponse – オーバードライブ設定で応答速度を上げる
液晶モニターのOSDメニューからSmartResponse、いわゆるオーバードライブ駆動による応答速度の設定ができます。
OSD → ゲーム設定 → SmartResponseから
オフ
高速
より高速
最高速
という4種類から選択できます。
おそらくこのモニターの仕様上の最高速である4msはこの設定で最高速に設定したときの数値だと思います。この設定の変更で応答速度の変化は体感できるくらい変わります。
初期設定ではオフになっています。
動きの速い動画やゲームの時は、「より高速」あたりに設定するのが、私のおすすめの設定です。
G-Sync対応の設定が出来た NVIDIAコントロールパネル
ゲームをするときにはメインシナリオなど印象的なシーンで高画質にしたいという事で、ゲーム側で描画の精度の性能を上げることがあると思います。
そういったときにGPUの性能が少し足りなくて設定しているFPSに足りないという事になった時、スタッタリングなどが発生します。このカクカクした映像になるのは60Hzではなく一時的に30Hzのものを見ているからなのですが、ガクンとフレームレートを落とさないための機能がAdaptive SyncやFreeSync、G-SYNC Compatibleです。
基本的にDisplayPort1.2a以上に対応しているモニターで使用可能な設定画面が現れるはずです。
このモニターではAdaptive Syncへの対応が表示されていたので、NVIDIAコントロールパネルからG-SYNCの設定が出来るはずだと事前に考えていましたが実際に設定できました。
GPUの性能以上の高画質設定にしてフレームレートが追い付かない状況を作り出してテストしてみましたが有効に機能しているようです。
ちなみにAdaptive SyncとMPRTは排他仕様になっています。
私の推奨はゲームをすることがあるならAdaptive Syncがオンで、MPRTがオフ。SmartResponseはやや高速です。
特にゲームなどすることがないパソコンで、ウェブを見たり動画を視聴したりという用途ならAdaptive SyncもMPRTもどちらもオフのままで大丈夫です。
まとめ – 発色も良好
PHILIPSの24E1N5500E/11は一般的な60Hzより少し高い75hz(74.97Hz)のリフレッシュレートに対応していて、フルHDより1.8倍ほど解像度が高いやや高機能なWQHDディスプレイという位置づけです。
私は事務用途ということでゲーム用に買ったわけではないのですが、応答速度をゲームで体感してみて、普通にこのモニターでゲームしてもいい性能があると感じました。
そもそもFPSゲームなどでなければ120FPSや240FPSといったゲーム内設定がなく、多くのゲームが基本60FPSなので、一部のゲームでゲーミングモニターが必要というのが実態であり問題を感じないことが多いというのも当然の話です。
おそらくこのディスプレイの購入を考える標準的なユーザー像はゲーマーではなく、普通にウェブサイトを閲覧して画像や動画を見たり、オフィス用途として文字を読んだり書いたりという人だと思いますが、そちらの用途でも十分な画質があるのではないかと思います。フリッカーフリーで発色も良い。
*より高画質なモニターが欲しい人や、お金のある人はデザイナー向けモニターなど他の選択肢も視野に入れて選べばいいです。
モニタースタンドの機能についてはモニターの高さ調整は可能です。12㎝か13㎝くらい上下できます。
左右の首振りはできないです。
内蔵スピーカーは付いていません。
付属品としてDisplayportとHDMIの両方のケーブルが付いています。AmazonBasicのDisplayPortケーブルでも1000円するので、HDMIだけじゃなくDPケーブルが付属していたのは良いところです。
液晶パネルの性能も付属品も良く、この価格ならかなりお買い得だと言えると思います。デメリットとしては外装に高級感などはないことですが、フレームの厚みが薄い薄型ベゼルタイプであることが幸いして見た目への影響も少ないです。
トータルで見てかなり満足度が高いです。7,8年前のお値段高めの良いモニターよりも画面が見やすく、そして低消費電力になっているところもありがたいところ。
かなりコストパフォーマンスに優れた液晶モニターですが、ちょっと心配なことがあるとすれば円安の影響。発売時期が130円時代に価格が設定された製品はそろそろ為替を反映させざるを得ない可能性があるので、欲しい人は早めに買ったほうがいいんじゃないかという気はしています。
24インチでWQHDというのはバランスのいい画面サイズと解像度の組み合わせだと思うのですが、大型化が進み2024年現在では選択肢は少なくなっています。現在販売されている他の機種とスペックを比較しながら選びましたが液晶もデジタル機器なので新しい世代のパネルは進化しているのだと考えています。5年、10年は完全に昔の話と言えるでしょう。